35年の時を経て、岡林信康が美空ひばりに捧げる、心のうた。
音楽界の大御所・岡林信康が紡ぎ直した、エンターテインメントの女王・美空ひばりの名曲の数々。
岡林信康が美空ひばりに提供した楽曲「月の夜汽車」「風の流れに」他、アコースティック、ジャズ(with山下洋輔)、
バンドサウンド(with細野晴臣etc.)、エンヤトット等、多彩なスタイルで昭和の音楽文化を辿る。
スペシャルトラックとして、美空ひばりが岡林信康に送った1通の手紙に書かれた歌詞から、35年の時を経て誕生した、
奇跡の新曲「レクイエム-麦畑のひばり-」(作詞:美空ひばり/補作詞・作曲:岡林信康)を収録!
■岡林信康と美空ひばりとの出会い
1975年、数年間の農村生活の中で演歌に開眼し、「月の夜汽車」を作詞・作曲。
友人のイラストレーター・黒田征太郎氏に送ったそのカセットテープが、作詞家・吉岡治氏の
手に渡り、
さらにコロムビアレコードのひばり関係者を経て、ひばり本人の知るところとなり、レコーディングが実現。
スタジオで出会った二人は意気投合し、親交を深める。
岡林の作品「風の流れに」も気に入った美空ひばりは、「月の夜汽車/風の流れに」のカップ
リングでシングルを発売。
「月の夜汽車」は、後年、ひばり自身が美空ひばり作品を選ぶ第4位にあげている。
その後も、新宿ゴールデン街で大勢の仲間と共に酒を酌み交わしたり、ひばりが岡林の住む京都に息子・加藤和也氏を伴って訪れる等、交流が続く。
1975年12月16日、岡林の中野サンプラザコンサートに、ひばりが飛び入り参加。
このコンサートが、岡林のコンサート活動再開のきっかけとなる。
そしてある日、ひばりは1通の手紙に歌詞を書き、その作曲を岡林に託す。
しかし当時の岡林は、あまりに壮大なテーマの歌詞に戸惑いを感じ、やむなく作曲を見送る。
時は経て2009年1月、自宅の机を整理していた岡林信康が、偶然にも1975年中野サンプラザコンサートのカセットテープを発見、
その日からとりつかれたように、美空ひばり作品を聴く毎日となる。
2009年6月27日、岡林の全33作品CD発売記念として実施した、東京九段会館でのワンマンコンサートでは「月の夜汽車」「越後獅子の唄」を歌唱。
その奥深さ魅入られるほどに、世間が気づいていない美空ひばりを、自らの手で表現し、作品として次世代へ伝えることを決意。
加えて、35年前に託された歌詞に、初めて曲をつけることとなる。