― なにもない ここから ―OGRE YOU ASSHOLE
1曲目のギターの音色がすべてを物語っている。
力の抜けた、ゆるく、メローでチルな感性が広がる。
「諦めて/おいで/これまでは/置いて/広い所へ/飛び越えた/あとはもう/見た事がない場所が/前に見える」
この歌詞が暗示するように、『100年後』は、山を登っていたらいつの間にか、
だだっ広い草原、まだ足を踏み入れたことのない広い場所に自分がいる、
そこには心地よい風が吹いている……たとえばそんな空想をうながす。
『100年後』とは、『homely』で見せた高いテンションの後のドリーミーなリラクゼーションである。
オウガ・ユー・アスホールの3人は、前作の続編を作るような手抜きをしなかった。
彼らは、ある意味ではよりポップな展開を探求していると言えるだろう。サイケデリックだが、
AOR的でもあり、何気に聴くと歌謡曲みたいだが、実はエクスペリメンタルである。
相変わらず音を聴くことの楽しみがある。遊び心旺盛で、さまざまなトリックや仕掛けがある。
音でトリップしたい人はヘッドフォンで聴くと良いでしょう。
今日生きている人間のほとんどが居なくなっているであろう『100年後』という未来を示すアルバム・タイトルも興味深い。
そして、アルバムの最後に繰り返される「なにもない」という言葉が、これほど切なく前向きに響いている音楽もない。
★RELEASE TOUR 2012★
10/13 松本ALEX
10/19 新代田FEVER
10/21 横浜FAD
10/27 札幌CUBE GARDEN
11/ 3 新潟RIVERST
11/ 4 仙台MACANA
11/ 9 福岡DRUM BE-1
11/10 広島ナミキジャンクション
11/17 名古屋CLUB QUATRO
11/18 大阪BIGCAT