さだまさし 空缶と白鷺 歌詞
歌:さだまさし
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
発売:2010-07-03 11:27:43
白鷺が一羽 一輪の白菊の様に
汚れた河のほとりで 空缶に埋もれ
静かに 水をみつめてる
かくれんぼを知らない子供が増えたって
誰かが話してた
ひとり暮らしの老人達が増えたって
誰かがつぶやいた
僕がこんな風にお前を抱きしめている時に
何処かで誰かが お腹を空かせて死んでゆく
ああ いつだって
彼らを追いつめているのは僕だった
そう そのくせに
手を差しのべるふりするのも僕だった
それが時代の正体だと嘘を承知で
笑える程に 大人を演じ
ふと気がつけば 僕は卑怯な顔になった
世論調査では国民の九割が
中位満足してるって
何かとひきかえにこの国も
一流の服だけ手に入れた
僕がこんな風にお前を抱きしめている時に
何処かで誰かがピストルに射たれて死んでゆく
ああ いつだって
失くしたくないものたちが多すぎて
そう そのくせに
失くしたあとで気づくものばかり
それが幸福の証しだと嘘を承知で
悲しみながら 迷いながら それでも
精一杯に 誰もが 現在を生きている
2016年の夏に子供が
今の僕の歳になる
その時代は彼に自由に唄を
唄わせてくれるだろうか
卑怯な顔になって生きることに
彼が迷う頃に
僕は何かの 答えを出せるだろうか