歌:夏木綾子
作詞:泉俊輔・岸本健介
作曲:岸本健介
発売:2017-03-09 08:28:48
わずか一才乳飲み子を 抱いて夜汽車に飛び乗った
あてもないまま浪花の地 声をかけられ情けに触れて
ここで…も一度生きると決めた 母と娘の物語
女房子供を 泣かせるような
そんな亭主は いらんとゆうて
辛い涙を 笑顔に隠し
屋台ひきひき 帰り道
通天閣見上げて 言わはった
浪花の母ごころ
お母ちゃんの口ぐせやった。
「男やったら通天閣みたいに、
ドーンとかまえて天下取る気できばらなあかん。
そやけど女は違うで…好きな人に可愛いがってもろて、一生添いとげる、
これが一番幸せなんや…お母ちゃんのまねせんといてな。」
私(うち)のこの手で お母ちゃんだけは
何が何でも 守ってみせる
やっと苦労が 花咲きかけて
母娘(おやこ)暖簾を 出せました
道頓堀あたりに ゆれている
浪花の夢あかり
元気だけが取り柄やゆうてた、お母ちゃんが、ほんま、
あっけのう逝(い)ってしまはった。苦しい息の中、
「あんなお父ちゃんやったけど、お父ちゃんにはお父ちゃんなりの
夢があったんや。
それをわかってあげへんかったお母ちゃんも悪かったんや。
あんたに淋しい思いさしたなぁ… 許してな。」
そうゆうてこぼさはったお母ちゃんの涙は忘れへん。
情に泣いても 貧乏に泣くな
母の教えが こころの支え
今日は泣いても 泣いてもええか
両手合わせる ご命日
お母ちゃん見ててや 私(うち)のこと
浪花で生きてゆく