歌:三山ひろし
作詞:藤田まさと
作曲:春川一夫
発売:2018-05-02 10:57:22
千両万両 積んだとて
銭じゃ買えない 人ごころ
受けた情の 数々に
上州子鴉(じょうしゅうこがらす) 泣いて居(お)ります
泣いて居ります この通り
「わしゃァ姐(ねえ)さんのようないい人に、めぐり逢ったのは
初めてだ、はい、はい、きっと成ります。
横綱(よこづな)になった姿を姐(ねえ)さんに見て貰います。
そしてなァ、わしゃ死んだおっ母さんの御墓の前で
立派(りっぱ)な土俵入りがしたい……」
野暮(やぼ)な浮世の うら表
教えこまれて 一昔(ひとむかし)
夢でござんす なにもかも
角力(すもう)修業も 今じゃ日蔭(ひかげ)の
今じゃ日蔭の 三度笠
「角力にゃなれず、やくざになって尋(たず)ねて見りゃこの始末。
さァ、姐(あね)さん、この金持って、早くお行きなせえまし。
飛ぶにぁ今が汐時(しおどき)だ。後はあっしが引受けました。
さァ、早く早くお行きなさいまし。
ああ、もし、お蔦(つた)はん、親子三人、何時(いつ)までも
仲良く御暮(おくら)しなさんせ。十年前、櫛(くし)、笄(こうがい)、
巾着(きんちゃく)ぐるみ、意見を貰った姐(あね)はんへ、せめて見て貰う
駒形(こまがた)のしがねえ姿の土俵入りでござんす」
御恩返(ごおんがえ)しの 真似(まね)ごとは
取手宿場の 仁義沙汰(じんぎざた)
御覧下(ごらんくだ)され お蔦さん
せめて茂兵衛(もへえ)の 花の手数(でず)入り
花の手数入り 土俵入り