歌:少女病
作詞:少女病
作曲:RD-Sounds
発売:2011-05-26 08:33:47
「国が管理する孤児院で生活する少女。
年上の孤児たちは一人、また一人と順番に貰われていく。
笑顔で新しい家族に迎え入れられる彼らに、羨望の眼差しを向けて……」
「きっと、生まれ変わるみたいに何もかもが変わるんだ」
「次は、彼女の番――――」
誕生日には 枢機卿[Cardinal]様の
娘として引き取られることになった
でも喜べない 彼の舐るような視線に不安が募る
悩みを月に吐露した
その夜に意図せず立ち聞きしてしまう
「あの方々の趣味も困ったものだわ……」
「記憶も瞳も 手足でさえも
全て別の子供のものを組み合わせることで、理想の娘を造る。
養子でも、まだ幼い恋人でもある愛玩人形。
人を人として見ない、偽りの博愛主義者……!」
「猊下は、あの子の美しい瞳が欲しいそうなの」
「その瞳からは、綺麗な粒の涙が静かに流れて――――」
この瞳だけ欲しいというなら
いっそ自分で潰してしまいたい
けれどそんな怒りも どこか空虚なまま諦観に沈んでゆく
先に引き取られていった
この孤児院の義姉達は生きているの?
幸せになっていると思ってたのに――――
長い夢をみた 蒼白の夢
永遠と紛うような深くて優しい夢を
揺すられて目を覚ましたら
孤児院の教師達は残らず死体になっていた
「あのね、魔女がみんな壊していっちゃった……。
こわかったよう……」
「枢機卿[Cardinal]も殺されたらしい、と義妹が泣く」
「どうして……?まさか、私達のため……?」
用は済んだ、と この孤児院から立ち去ろうとしている魔女を追って跪く
「何かしら。あなたも死にたい?」
その問いに無言のまま ただ首を強く振った
楽しげに興味深げに
微笑んだ 蒼白の魔女は試すように囁く
「そう。なら、ついてきなさい。戻らに覚悟があるなら……」
「少女は過去を想い返しながら、返り血に濡れた髪をみる」
「確かに、あの日一度生まれ変わったのかもしれない」
「感傷を捨てて、魔女の傍らに跪く。
それだけが少女――――シルエラの、存在理由だと言うように」