歌:奥島左珠
作詞:奥島左珠
作曲:奥島左珠
発売:2023-02-04 11:10:31
ああ また一輪咲いた
ああ また悲しみが咲いた
窓辺に差し込む日差しと
彼女を呼ぶあの優しい声
彼女はぱっと顔を輝かせて
彼はそっとその頭を撫でた
今度帰ってきたときは両手いっぱいの花を渡そう
だからどうか早く戻って
この地球(ほし)は美しいから 争いを必要とせず
輝きが彩っている その瞬間が一番似合う
あの日が戻るとどうか信じさせて
ああ また一輪咲いた
ああ また哀しみが咲いた
彼の優しい声はじきに戦車ががさつに消すだろう
暫くご無沙汰致しました。此方では葉書を出すのも一苦労です。
君には寂しひ思ひをさせてゐますが、僕は君の可愛らしい笑みやはにかんだ顔、
真剣な眼差しを何時も想ひながら、元気につとめてゐます。
君はこんなにも遠くから幾度も僕を救つてくださつた。ありがたう。
明日任地に向かゐます。お盆にはそちらに帰れるでせう。
それからはいつだつて一緒です。だうか元気で。
今度帰ってきたときは両手いっぱいの花を渡そう
だからどうか待たせてください
この花は美しいから 窓辺には飾らずにおこう
最愛のあなたの横で きれいだと見上げていたい
この地球(ほし)は美しいから 争いを必要とせず
だから今穢される前に 終焉を望むというの?
なら あなたを失った日に
私の物語はすでに終わっていたのね
そう呟いた彼女の眼は
あの日の少女のままで
枯れた花を見つめている