冬組 主人はミステリにご執心 歌詞

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主人はミステリにご執心 歌詞

歌:冬組

作詞:松崎史也/Yu(vague)

作曲:Yu(vague)

発売:2022-07-06 09:48:35

【京一】「彼女は婚約者として完璧な女性でした」
【中津】「素人が出しゃばった真似をするな!」
【静馬】「妹は恨みを買うような娘ではありません」
【志岐】「まさかこの僕が殺したとでも言いたいのか?」
【鷺島】「……犯人探しはおやめになりますか?」

【五人】「コリウスの花言葉は――」

【鷺島】「志岐さま」
【志岐】「……」
【鷺島】「志岐さま」
【志岐】「……」
【鷺島】「志岐さま、庭のシクラメンが綺麗に咲いております。
シクラメンの花言葉はご存じで?」
【志岐】「鷺島。何故僕が無視をしているにもかかわらず話を続ける?」

【鷺島】「無視をしておいでだったんですか?」
【志岐】「考え事をしていたんだ。お前に邪魔されたくなかった」
【鷺島】「やはり。ではシクラメンを見に散歩にでも」
【志岐】「花言葉などに興味はない。僕は今重要な……」
【鷺島】「草薙家のご息女も散歩をしている時間なのですが」
【志岐】「すぐに出かけよう。シクラメンが見たい」
【鷺島】「さすが志岐さま。かしこまりました」

【二人】主人と執事 主と従者
【志岐】僕が主だ
【鷺島】ええワタシは執事です
【志岐】こんな言うこと聞かない執事がいるか
【鷺島】「やれやれ志岐さまは犬よりも頭がお悪い」
【二人】主人はあの娘にご執心

【鷺島】「おや。この香りはコリウスの花ですね」
【志岐】「このハンカチはたしか……!」

【志岐】「おい、あそこに倒れているのは草薙嬢か? 鷺島、すぐに医者を呼べ!」
【鷺島】「志岐さまお下がりください。…もう手遅れです」
【志岐】「何?」
【鷺島】「草薙さまはもう、亡くなられています」

【鷺島/志岐/中津】被害者は草薙家のご令嬢
【志岐】「なぜ彼女がこんなことに」
【中津】「なぜ彼女はこんなところで」
【鷺島】「なぜ彼女はこんな表情で」
【鷺島/志岐/中津】死者の声は届かない ならば手がかりから見つける 真実を

【中津】「本件を担当する中津啓二です」
【鷺島】「中津啓二……刑事。名は体を表す」
【中津】「あなた達が第一発見者という事ですね?」
【志岐】「なんだその物腰は」
【鷺島】「志岐さまおやめください」
【中津】「被害者とのご関係は? 面識がおありなんですよね? ただの友人ですか?
それとも……」
【志岐】「失礼だろう。まさかこの僕が殺したとでも言いたいのか?」
【中津】「まあ、我々が捜査すればいずれわかることですから」

【密】「アリスも丞も鬱陶しい」
【丞】「褒め言葉と受け取っておく」
【密】「丞は演技でやっていて偉い」
【誉】「密くん、それではワタシが演技でなく鬱陶しいようじゃないか」
【密】「そう言ってる」
【丞】「皆木の本はこれだから面白い。さあどう出る? 紬、東さん」

【志岐】「鷺島、すぐに草薙嬢の人間関係を調べろ」
【鷺島】「余計なことに首を突っ込むのは志岐さまの悪い癖です」
【志岐】「犯人として僕が疑われているんだ。黙ってはいられないだろう」

【鷺島/志岐】容疑者は草薙嬢関係者
【静馬】「なぜ妹がこんなことに」
【京一】「なぜ彼女がこんな目に」
【中津】「なぜこいつらがここにいる」
【志岐】犯人はこの中にいる 必ず明かしてみせる 真相を

【鷺島】「草薙嬢の兄君、草薙静馬さまと、草薙嬢の婚約者、相馬京一さまです」
【中津】「事件の捜査は我々警察がする。素人が出しゃばった真似をするな!」
【志岐】「犯人が見つかれば君の手柄にすればいい」
【中津】「警察の令状もなしにこんな……」
【静馬】「構いません。妹を殺した犯人を捕まえるのが最優先です。京一君、君もそう思うだろ?」
【京一】「ええ……もちろんです」
【鷺島】「皆様ご協力ありがとうございます。では事件についていくつか質問させてください」

【静馬】「妹は恨みを買うような娘ではありません。賢く気立てもよく誰からも愛される娘でした」
【京一】「彼女は婚約者として完璧な女性でした。私にはもったいないくらいの相手です」
【中津】「二人には殺害の動機がない。君は彼女を失いたくないという思いがあった。つまり――」
【志岐】「よし。謎はおおよそ解けた!」
【一同】「何?」

【鷺島/志岐】加害者と被害者 兄や婚約者
【志岐】僕はわかった
【鷺島】大丈夫でしょうか
【志岐】ミステリをたくさん読んでいてよかった
【鷺島「確かに志岐さまは意外と読書家」
【五人】主人はミステリにご執心

【志岐】「犯人は……中津啓二! アンタだ!」
【中津】「なっ…何故私が犯人なんだ!」
【志岐】「ミステリのセオリーなのだよ。最も意外な人物が犯人というのはね」
【中津】「やってられない。とんだ名誉毀損だ。帰らせてもらう」

【志岐】「ほら見ろ、後ろ暗いところがあるのだろう!」
【京一】「私も今日はこれで。彼女を亡くしてからどうも体調が優れなくて」

【鷺島】「志岐さま、中津啓二刑事は犯人ではありません」
【志岐】「何だと? お前は犯人がわかっているというのか?」
【鷺島】「さて……」
【静馬】「刑事さんが犯人とは……痛快でした。あの刑事さん、あまり感じのいい人ではなかったから」
【志岐】「僕を犯人扱いしたしな。おあいこさ」
【静馬】「妹を亡くしてから久しぶりに笑いました。ひょんな出会いというものは、意外なところに転がっているものですね。そう思いませんか?」
【志岐】「そうだな。君とは仲良くやれそうだ」

【東】「添い寝屋、詩人、記憶喪失。僕らが同じ演劇をやるなんて。ひょんな出会いは、意外なところに転がっているものだね」
【誉】「ひょん? 詩興が湧いたよ東さん。氷上のぬらりひょん、無表情でイリュージョン……」
【密】「アリス、芝居に集中して」
【誉】「ああ、失礼」
【東】「板の上って不思議だね。ここでなら、いくらでも呼吸ができる」

【鷺島/志岐】主人と主人 友人と友人
【志岐】妙に馬が合う
【鷺島】それはよかった
【静馬】この本、よかったら読んでみるといい
【鷺島】「おや、かわいい栞ですね」
【鷺島/志岐】主人の珍しいご友人

【鷺島】「志岐さま、このようなものが」
【志岐】「『これ以上事件のことを調べるな』……脅迫状か。さて、どうしてくれよう」
【鷺島】「志岐さまがそのお顔をなさる時は、ロクなことがありません」
【志岐】「何、少し餌を撒くだけさ」

【中津】「その身のこなし……お前何者だ?」
【鷺島】「ただの執事、ですよ」
【中津】「相馬京一……アンタが犯人だったとはな」
【京一】「違う。オレはやってない!」
【鷺島】「しかし相馬さま、これは貴方の字ですね?」
【中津】「どうなんだ! 相馬!」
【京一】「ああそうだよ。だからどうした?」
【中津】「何?」
【京一】「彼女を殺したのはオレじゃない。東条志岐の襲撃にも失敗した。オレを逮捕したところで、大した罪にはならないよなあ?」
【中津】「そんな言い逃れが効くと思ってんのか」
【鷺島】「警察に捕まるのは痛くなくても、真相を草薙さまに知られては困るのでは?」
【京一】「……! お前…」
【志岐】「どういうことだ、鷺島?」

【鷺島】「ご自分でお話しなさいませ。殺人の疑いも晴れる」
【京一】「……他にも女がいるんだよ。あの娘と婚約したのは財産目当てだ」
【志岐】「何だと? 貴様……!」
【京一】「あんなつまんねえ女と結婚したいわけねえだろ。けど一生金には困んねえからな」
【鷺島】「相馬さまが金を手に入れず彼女を殺すはずがない」
【中津】「では何故東条さんを襲ったんだ」
【京一】「他の女達がいることを草薙の主に知られたら、今もらってる援助も無くなっちまう。ったく、とんだ貧乏くじだぜ。死ぬんなら結婚した後にしてくれりゃよかったのによ」

【京一】「ああ? 刑事の前で何してくれてんだよ」
【志岐】「刑事、僕が何か?」
【中津】「目にゴミが入っててな。何かあったか?」
【志岐】「いえ何も」
【中津】「お前が殺してないのはわかった。が、脅迫罪に家宅侵入罪。他にも余罪がありそうだ。署までご同行願おう」

【密】「紬の芝居、憎たらしすぎ」
【誉】「ワタシも危うく手をあげるところだったよ」
【紬】「……」
【丞】「ダメだ、集中し切ってる」
【密】「舞台上でも感情をもらって次の芝居に繋ぐ……」
【誉】「演技とは実に豊かなものだな、密くん」
【丞】「それがわかるお前らも大したもんだよ」
【紬】「あとは頼んだよ、二人とも……」

【鷺島/志岐】犯人は京一じゃない
【志岐】犯人は一体誰なんだ
【鷺島】ハンカチについていた香り 真実は優しいとは限らない
【志岐】真実を知りたい
【鷺島】「やれやれ志岐様は」
【鷺島/志岐】「……」

【鷺島】「おや、珍しい本をお読みですね」
【志岐】「草薙くんに借りたんだ」
【鷺島】「気の合うご友人を見つけられて何よりです。では犯人捜しはおやめになりますか?」
【志岐】「何故そうなる。もちろんやめない」
【鷺島】「そうですか。……その本から漂う香り、コリウスの花の香りですね」
【志岐】「コリウス…? どこかで……」

【志岐】「馬鹿な。草薙嬢を殺したのは……」
【鷺島】「だから犯人捜しはおやめになりますかと申したでしょう。志岐さまは犬よりも頭がお悪い」
【志岐】「だがどうして……どうして彼が?」
【鷺島】「志岐さま、コリウスの花言葉はご存じですか?」
【志岐】「花言葉などに興味ないと言ってるだろ」
【鷺島/静馬】「かなわぬ恋」
【鷺島】「……それがコリウスの花言葉でございます」
【志岐】「君だったんだな……草薙嬢を殺したのは」
【静馬】「愛する妹をあの男に嫁がせるのが我慢ならなかった。私が奴の本性に気づいていれば」
【志岐】「……静馬くん」
【静馬】「にしても、花言葉に興味がある男が私以外にいたとは」
【志岐】「それはこいつが」
【鷺島】「うちの主人は博識なのです」
【静馬】「唯一の誤算はあなたが関わったことです。志岐さん」
【志岐】「残念だ。君とはいい友人になれると思ったのに」
【鷺島】「表に中津刑事を呼んであります」

【鷺島】「草薙さま」
【静馬】「……?」
【鷺島】「ナイフは正面から静かに突き立てられていた。もみ合った形跡もなく」
【静馬】「それが何か?」
【鷺島】「草薙嬢は望まぬ相手に嫁ぐより、愛する兄に殺されることを選んだのかもしれませんね」
【静馬】「……ありがとう。執事さん」

【志岐】「正面から? もみ合った? 何のことだか意味がわからん。だから、何だ?」
【鷺島】「さすが志岐さま。犬よりも……失礼。何でもございません」

【志岐】「あの日も風の強い日だったな……」
【鷺島】「大丈夫ですか?」
【志岐】「何がだ」
【鷺島】「珍しくご傷心なのでは……いえ、差し出がましいことを申し上げるところでした」
【志岐】「お前が僕を気遣うなんて気味が悪い。一体何を考えている?」
【鷺島】「ワタシは思っていたよりも志岐さまのことが好きなようです」
【志岐】「……変な奴だ」

【密】「最後のアドリブいらない」
【誉】「少しばかり本音を混ぜてもいいかと思ってね」
【密】「無駄にセリフが増えた」
【誉】「よくわかったのだよ。ワタシは自分で思っていたよりも密くんのことが好きなのだと!」
【密】「俺は別に好きじゃない」

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