For Tracy Hyde 放物線 歌詞
作詞:管梓
作曲:管梓
発売:2017-11-09 10:48:19
流れるためだけに時間は存在するよ――
この街はいつでもそんなふうでしょう。
君が忘れてった薄荷煙草の煙が冷ややかな深夜に紛れてゆく。
見上げた空には星は映らなくて、丸すぎる月がきれいごとよりきれいで、
いつだってどこだって、死にたいくらいあたしはあたしだ。
その自覚にただ苛まされてみたって、何ひとつ、誰ひとり、
救ってはくれやしないから。
君にとってもあたしはただの通過点って、
わかってるよ。
モノローグ続きのつまんない映画のよう――語るべき中身もないくせにさ。
すり切れそうな愛をアルコールに溶かして、
わかりあえないってうそぶいてた。
落ちるところまで落ちるのはたやすくて、その浅はかさも君は
見透かしてるようで、
傷ついて傷つけて、心細さばかり競ってる――瑪瑙のような目を
ぎらぎら光らせて。
さめざめと混ぜこぜの感情があふれたって君には、
遠い国の名も知らない歌みたいに意味がないな。
どうしたって好きになれる気がしない、君が忘れてった薄荷煙草も、
だらしなく生き延びそうな明日の日も、
もういらないや。
窓を開け放して、
この手から投げ出せば、
きれいな放物線を描いてぜんぶ落ちていくのに、
どうしてあたしは踏み出せずに呼吸を繋いでいるのかな。
明けそうで明けなくて深い夜の底に沈んでるあたしを、
いまでもたしかに月は照らしてる。
いつだってどこだって、死にたいくらいあたしはあたしで、
だから結局あたしは君を愛してしまうって、
わかってるよ。