歌:Royal Scandal
作詞:奏音69
作曲:奏音69
発売:2019-12-29 06:57:52
騒ぐ砂の海。眠る空の果実。
夜に消えた蜃気楼。絹の轍を征く。
そこに現れた、白い異国の美女。
"逃げるならこっちだよ"
アルフ・ライラ・ワ・ライラ。
君に巡逢[であ]えた夜のことは、まるで魔法みたい。
恋に堕ちた。
それだけでもう僕は、どんな呪文さえ効かない。
千夜に一夜の夢をみたいと、彼女はひとり逃亡[にげだ]した。
じゃあ、知らない世界を観に行こうか。
“僕を信じて”
見慣れない服、気になる靴に、彼女は少し微笑んだ。
君の自由[ねがい]ならば叶えてあげる。
リ・ドニア・ファウク。
このまま、ふたりきりで。
……だけど現実は、まるで囚われの身。
身分[うまれ]が違いすぎる。君は異国の令嬢。
権力[ちから]の無い者は、傍にさえいられない。
こんな僕じゃあダメだな。
アルフ・ライラ・ワ・ライラ。
ふと気がつけば午前0時。これは誰の影?
なぜか異国の帽子屋と兎が、僕を禁忌[ハラム]へと手招く。
彼女の自由[ねがい]叶えたいなら、向かう先はただひとつ。
その指輪が権力[ちから]をくれるという。
“俺を信じろ”
危険な旅路。荒れ狂う砂塵。命さえもわからない。
でも君のためなら何だっていいさ。
冷たい砂の上で孤独[ひとり]。
魔法の指輪が、僕の心を権力[サルタン]の獣に変える。
僕の憤怒[すべて]さえも呑み込んで咲く「アルカナの薔薇」。
「仮面の裏」に隠した野望、気付いていたはずなのに。
君の自由[ねがい]はもう叶えられない。
例え愛を失っても、また僕を信じて。
……君を愛してる。
そして僕は、ひとり恋をした。